2010年03月06日

NPO緑の家学校課外授業 船螢勝璽繁,虜乱から景観法による景観行政団体へ

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 NPO緑の家学校の真鶴町での課外授業に参加しました。真鶴町は韓国で開催される「世界デザイン都市サミット」に招待されているそうです。

 今日の講師は真鶴町まちづくり課卜部直哉氏、
 教室はコミュニティ真鶴
 緑の家学校の生徒さんは建築に興味のある方、暮らし方に興味のある方、食に興味のある方など様々です。

 コミュニティ真鶴は構造はRCですが内装、外装に木ふんだんに使っています。正面外壁は地元で取れる小松石です。真鶴町まちづくり条例『美の基準』に基づき、町民の地域活動の交流の場として建設されたこの活動の象徴的な建物です。
 卜部氏は学生時代に真鶴町に来てこの美の基準による町づくり活動に感動し、この活動に携わりたいと真鶴町に就職してしまったそうです。

 まちづくり条例制定のきっかけは昭和62年(1987年)に施行されたリゾート法によるマンションブーム、真鶴町にもこの波が押し寄せました。次々にマンションが建設され、大手のマンションは三十数倍で即日完売、翌日には高値で転売されるという状況でした。

 これを迎え入れる真鶴町は人口8,642人(昨年)の小さな町。水源になる川はなく井戸水は塩分を含んでおり、飲料水のほとんどを湯河原市から購入しています。そこに1年で500人の人口増は耐えられない。。。。住民は危機感を持ちます。ところが町内のほとんどが用途指定がなく
400%まで建てられる白地地域で、マンション建設を抑制できる法的根拠がない。それでも何とかしたいという住民はマンション建設反対の町長を選び、自分たちも傍観せず、リサイクルショップで利益を上げ、募金も募り、開発をストップさせたい地域の私有地を町が買い上げる資金づくりをしました。

20100306真鶴基準 新町長は法的根拠がないまま、20戸以上のマンション、20宅地以上の戸建開発には飲料水を供給しないという強行手段をとります。
 町役場には暴力団まで来てマンション建設を阻止できる根拠の説明を要求します。当時の役場の職員は一切の説明をせず、ただ「(マンション建設は)認められません」とだけ答え続けたそうです。
 
 マンション建設を拒否する法的根拠を作るために風致地区の指定を受けようとしました。けれども住民の賛同が得られませんでした。マンション建設には反対した住民も法律により自分たちの土地が永久に規制を受ける指定には反対だったのです。

 その結果、町議会で制定も変更もできる条例「真鶴町まちづくり条例『美の基準』」になったそうです。
 この条例には、容積率とか高さ制限とかのような数字の規制のはいっさいありません。私たちが目ざす美しい町はこんな町、こういうことに配慮して美しい町にしよう、という思いを写真や絵により表現したものです。興味のある方は真鶴町まちづくり課で購入できます。1,200円です。

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 規制する条例ではないので卜部さんたちまちづくり課の住民への対応は穏やかです。ピンクの家を建てたいという人には「どうしてピンクがいいのですか?」と建主の家への思いをお聞きします。「イタリアの港町が好きで真鶴にきた。イタリアの赤い家が良かった。」という話から、イタリアらしい土色がかった落ち着いた赤の外壁になる。。。というような話し合いをするのそうです。実際に、「イタリアの港町に似ているので真鶴に引っ越してきた。」という人が他にもいるようで、既に、黄色、緑、ピンクなど派手な家が建っています。

 穏やかに話し合いで。。。と言っても、マンション建設など不本意な建設を規制できる法的根拠はなく、裁判にでもなれば勝てる保証はありません。

 そんな時、平成16年(2004年)景観法ができました。これが使える!と真鶴町は政令指定都市、中核都市以外の市町村では第1号の景観行政団体になりました。政令指定都市、中核都市以外の市町村では第1号でした。町並みをまもることがこんなに大変で大事な事だということを実感するお話でした。

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