2017年07月01日

福島原発事故刑事裁判初公判を傍聴しました

image2012年6月、福島第一原発の事故により被害を受けた住民達が組織した原告団が東京電力役員たちの刑事責任を求めて告訴するも全員不起訴。
2016年2月、2度目の検察審査会により「起訴議決」を受け強制起訴。事前整理等に時間がかかり、
2017年6月30日東京地裁(永渕健一裁判長)でようやく裁判がスタートしました。福島原発事故で刑事責任を問う裁判は初めてです。
(マスコミが犯罪人扱いした小沢一郎の場合は2度の検察審査会でも起訴ができなかった。)

公判開始は午前10時、整理券配布7時30分から。私は7時15分に傘の列に並び整理券は40番、8時30分に抽選結果が発表され、入場券を受取り、貴重品と筆記用具以外の荷物全てを預け、金属探知機+女性職員による厳しいボディチェック、財布の中まで見られてから廊下で待機、ベテラン記者さんでもこんなに厳しいボディチェックを受けた裁判はなかったらしい。入場チェックを厳しくしたのは裁判官の指示だそう。

被告は東京電力の勝俣恒久元会長、武藤栄、武黒一郎元副社長の3名。
罪状認否で勝俣元会長は、「重大な事故を引き起こし、周辺地域の皆様、広く社会に大変なご迷惑をかけた」と謝罪した上で、「今回の津波、事故の予見は不可能だった」と罪状を否認、無罪を主張。2被告も以下同文的に短い謝罪と無罪主張をした。この時点で記者席から2〜3人が法廷を出る。速報発信のためだろう。

起訴状は、被告3人が原発の敷地を超える巨大津波に襲われ原発建屋が浸水し原子炉を冷やす電源が失われ爆発が起こることを予見できたのに、適切な津波対策を怠り、その結果、原発近くの病院の患者らに長時間の避難を強い、搬送中、搬送先で44人を死亡させ、原発作業員ら13人に怪我を負わせたたというもの。

検察官に相当する指定弁護士による冒頭陳述では、阪神淡路地震から中越地震を経て福島第一原発事故に至るまでの地震研究等の情報を3被告を含む電力会社関係者が共有してきた経緯により、予見が可能であり、対策は可能であった説明。被告側弁護士はこられに反論。更に指定弁護士から証拠として提出する大量の文書等を読み上げた。次回以降の証人尋問、被告人尋問等を通して、福島原発事故の真実が法廷で明らかになるのだろ。

尚、傍聴整理券の配布数は13倍だったとか。外れた人たちは別の場所で集会をし、昼休み休憩時間と午後の法廷終了後に告訴団弁護士が法廷の様子を報告している。
まだまだ不十分ではあるが取り調べの可視化は実現した。裁判についても、別室での映像による傍聴とか、原告団の地元での映像傍聴とかできないのだろうか。。







トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔